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古本屋日誌
世間の趣味の中で、読書はちょっと変わっている。
どういうジャンルの本であれ、大なり小なり苦痛が伴う。
小説なら、確かにいい作品もあるにはあるが、大半はくだらないものだ。素晴らしい才能に恵まれている作家にしても、いくらでも駄作を書いている。
村上春樹なら『海辺のカフカ』とか『中国行きのスローボート』『世界の終りとハードボイルドワンダーランド』『1973年のピンポール』『風の歌を聴け』『ダークサイド』とかは確かに優れた作品だが、それ以外は下らない。
そういう腹立たしい駄作群に付き合わされるのは不快であり、苦痛だ。
中には全集をこうて、全部読んでる人もいて、信者のようになっている感じなんだが、それはきちんと作品を読めていないわけで、世間には変わった人が一定数いることの証拠でしかない。
心理学にしても、フロイトやユングとかの著作はイメージを掴みづらい比喩が含まれていて、そもそも読みこなすのが一苦労だ。
しかし学問のアウトラインをつかむためには避けては通れないことで、かなり苦痛だ。とうてい楽しい趣味とは言い難い。
今日、文化の日は晴れの特異日で、やはり日本晴れとなったな。
昨日は大雨だったが、一日中出荷の仕事でバタバタしていた。
京都古書研究会のXを見ると午前中は小雨だったので、テント内は営業したが、午後は雨足がひどくなったので、中止したとある。
屋外に設置して、テント架けしていない平台は、ブルーシートをかけて縛り付けて、水の侵入を防ごうとはするのだが、やはりどうしても濡れてしまう本が出るのは避けられない。
それらは商品にはならないから処分せざるをえない。
古本まつりの疑問点なんだが、錦絵や骨董品といえる初版本みたいなものは、展示して売る価値はあると思うが、それ以外のほぼ全ての本は、労力を考えると展示販売は馴染まないのではないか。
ラーメン屋も仕込みから始めて、長々営業して、閉店作業もしていたら、一日の大半が潰れてしまう。それでいて、月の手取り収入が50万では意味はないよね。
古本屋も、同じようなもので、労力を考えたら店主の時給は500円くらいになってしまっているのではないか。
これは最低賃金の半分にも満たないものなのだが、自営業者あるあるで、そこに気づかない。
Amazonでも本を1円で販売していることがある。
例えば、送料を410円取ったとしたら、お客さんの払う金額は401円だが、手数料で15パーセント引かれるし、別に60円に加えて、送料や月間登録料などを引くと利益は100円くらいしかない。
これは労働に対する手間賃もコミなわけだから問題だ。
今日は朝から出荷作業をして、お昼前に京阪の特急で出町柳に行き、昨日に引き続き百万遍の古本市。
天気予報では11時くらいから雨なので、傘も用意している。今日は錦絵や地図、単行本を眺めて目の保養としゃれこみたいところだ。
indigo book には大判の京都の風景画が展示してあって、丁寧な石畳の描写に感心した。
京都スターブックスはたくさんの地図を持って来ていて、その中には石原正の鳥瞰図もある。
とりわけ1980年の鎌倉絵図はB4版4枚分の巨大なもので、鶴岡八幡宮や鎌倉大仏、横浜国立大学なども描き込まれている。
八幡宮の石段には参詣途中の実朝一行、そして大銀杏の影には公暁の姿も確認できるほか、頼朝の墓にはその霊の姿も描かれている。