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古本屋日誌

2026-06-28 13:45:00

だいぶ前に雑誌『群像』でデビューしたが、あまりパッとしない小説家となった岡崎祥久の新刊『キャッシュとデッシュ』が出た。

 

 

早速一読、なかなかいい作品だった。

 

表題作は5年ほど前に「文學界」掲載作なんだが、どうした加減か文藝春秋からは単行本にならず、フィルムアート社という、あまり聞いたこともないところから、今回単行本化。

 

 

中身はうだつの上がらない中年男が、不思議なディッシュを手に入れ、それはこうたモノを上に置いて水をかけたら、一晩のうちに、支払った金が皿の上に置かれているというお伽話。ただ置いたモノは消えてなくなってしまう。

 

 

食費や光熱費は稼がないといけないが、その他実用品は無料となるわけで、楽しい日々が待っていそうなものだが、漢は部屋にあるモノを次々に皿に置いて金を取り戻していく一方、モノはどんどん無くなっていく。

 

 

つまり思い出も含めて、自分というものがなくなっていってしまい、孤独に苛まれるという話になっている。