Welcome
古本屋日誌
最高の古本屋はブックオフである。
どの古本屋と比べても引けを取らない品揃えであるし、店は広く立ち読みもいくらでもできるし、大きい店なら手洗いも完備している。
店舗は交通至便なターミナルにあって、近所にはいい喫茶店もたくさんあって、こうたばかりの本を抱えて、コーヒーを楽しみながら読み耽ることもできる。
その素晴らしいブックオフだが、だいぶ前から扱う商材が多岐にわたるようになっている。
CD、DVDはもちろんのこと、ブランドバック、靴、服、ジュエリー、ウイスキー、カード、ゲームソフト、楽器、テレビ、パソコン、スマホなどなど。
この頃など店内に「お客さま、取り外した銀歯はございませんか❓銀歯にはレアメダルが含まれております。歯科関係者様からのお持込もお待ちしております」というアナウンスが流れている。
そのためこれまで本やマンガのスペースだったところを取っ払って、これらの新商材をズラリと並べるようになった。
本を置くスペースが少なくなったのだが、反対にお客さんからの買取依頼は増えていて、それも年中途切れることがない。
これはたくさんの老人が死んでいるからで、遺族が「なんぼかんぼでもかまへんよって、引き取ったってや」と買取依頼をしてくるからだ。
買い取った本を倉庫などに保管するとなると、その分出費となるから、いま売り場に刺さっている本を抜き取って、安い値段に(220円とか110円)付け替えて均一本コーナーに出して、空いたスペースに買い取った新しい本を入れることになる。
これはめんどくさいよね。
というのもブックオフは均一本もごちゃごちゃに詰め込んでいるのではなく、ジャンルごとに細かく分類して本を並べているからだ。
「日本史」「世界史」「宗教」「サイエンス」「文学」「アウトロー」「人生論」「日本の小説」「時代小説」「世界文学」「河出文庫」「創元推理文庫」「新潮文庫の海外文学」などと実に細分化されている。店によっては「日本史」のジャンルの中で、さらにレーベルごとに文庫本をまとめて置いているところさえある。
「日本史ジャンルの岩波文庫」「日本史ジャンルのちくま文庫」てな具合で、これをやる手間を考えると気が遠くなるな。
ベテランの店員が自ら模範を示し、新米店員を指導しながらやってるんだろうけど、分類作業はやりだすとやめられなくなる中毒性があることもよくわかる。
普通の古本屋なら、そんな手間隙のかかる作業は無理なんだが、ブックオフは高い売上を保っているから、人手を動員して、このややこしい作業を遂行できるのだ。
また、一等地に出店しているわけで、売れない商品をいつまでも置いておくわけにはいかないという事情があるのだろう。
というわけで、ブックオフはこれまで以上に本や漫画の回転ペースを上げている感じがするのだ。
ただ謎の例外は京都の三条駅ビル店で、こんなに本を仕入れやすいご時世に、いい文庫本を持っていないのは驚きでしかない。