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古本屋日誌
古本屋はやはり春先に買取が増えるので、その在庫をどうやって店頭に並べるのかに苦慮するようだ。
ほとんど零細なので、人手がないから、今本棚にささっている本を抜いて、新しく買い取った本と入れ替える作業は不可能だろう。
今はもうない天牛堺書店は毎週ワゴンの本を入れ替えて、その度に新しい本があって楽しかったが、負債を抱えて倒産してしまった。
その点、日本一の古本屋であるブックオフは店舗によっては、定期的に店内の模様替えを行なっている。
これは実に画期的なことで、俺を含めほぼ全ての古本屋からしてみたら、羨望の眼差しを禁じ得ない。
だって売れない本をいつまでも置いておく余裕はないのに、手が回らないから指を咥えて棚に手をつけられないんだから。
例えば心斎橋店は、いま2階の本を大々的に入れ替えていて、まず目を引くのが小説とノンフィクションの単行本コーナーなんだが、全て本は撤去されて、黒いスチールの本棚がガラーンと並んでいる。そこに並んでいた本は今のところ見当たらないな。
また新書が並んでいた2階の西側のコーナーもすべて撤去されていて、並んでいた本はその向かいの、以前は歴史小説が並んでいた棚に移されている。
岩波文庫、河出文庫、草思社文庫、講談社学術文庫、ちくま文庫、ちくま学芸文庫、中公文庫の並んでいた棚は、見てみると、中公文庫があった棚が数段空になっている。
そしてその空の棚の下には2段くらい、1冊220円(税込)に値下げしてある中公文庫やちくま文庫が並んでいる。またレジ横のワゴンにも同じ廉価となった文庫が並んでいる。
俺の見るところ、岩波文庫と講談社学術文庫に関してはほぼ廉価販売はせず、棚だけ変更している。(『エミール』とか『万葉集』なんかは安くしてあった)
2階の東側隅にあった 、岩波文庫や中公文庫、ちくま文庫の110円くらいの、5段くらいのコーナーはなくなっている、スニーカー文庫などに入れ替わっていた。そこにあった本は潰しにしたのかな、わからないけど。
このお店の2階は、すごくうまい日本語を操る女性スタッフが中心に回っている印象があって、こないだお聞きしたところでは、来日3年目のロシアの方だということで、棚の入れ替えから、新人と思われるスタッフの指導から、レジ打ちからと獅子奮迅の活躍だ。
「3年でそんなに日本語が達者とはすごいな」
「前からやってましたから」とのことで、情熱が感じられて素晴らしい方だな。
今回の棚変更では、ブックオフの制服を身につけていない、普段着と思しき人たちの姿もあって、ベテランの店員さんから指導や指示を受けて仕事に励んでいたように見えたので、それだけのマンパワーを動員できる余裕がお店にあるわけだよ。