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古本屋日誌

2025-05-28 15:21:00

車谷長吉の作品の中では短編集『忌中』は好きな作品だ。

 

文春文庫のカバーは、桟に囲まれたガラス戸に「忌中」と車谷風の四角い字で書いた白い紙が貼り付けてあるもので、小説のラストシーンだ。

 

介護疲れやあれこれの悩みから、障害のある妻を殺害して、家に隠してしばらくしてから自分も首をくくって死ぬ話だ。

 

嫁への愛情が感じられるし、またその後自殺するまで、サラ金などから引っ張れるだけ引っ張ってあれこれやってみるのもいい。

 

 

かつてのアイドル歌手が、ブランクの後復活して舞台に立っている姿を見て心打たれたりもする。

 

 

また、マッサージ店に通い詰めて、人間関係でしくじって都落ちしてきた女に高額なコートをプレゼントしてやる。

 

 

全て嫁にやりたくてもやってやれなかったことなんだろう、そういう純愛小説なのだ。