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古本屋日誌

2025-05-11 12:33:00

昔の小説は、過大評価されてきて、今読んだらつまらないものが大半だ。

 

娯楽の少なかった時代には、消閑の具として映画、小説くらいしかなかったので、需要が莫大であった。

 

ものごとは需要と供給の関係で動くので、意味のない小説、くだらないものもいくらでも出版されていた。

 

また、時代的な制約もある、上林暁が、好んで描いていた酒飲みで、プータローのようで、地域に溶け込んでいた人物なんかは今日では理解の範囲外だろう。

 

娯楽が多様化して、求められるものも多種多様となった今日では、さすがに昔ほどのいい加減な小説は少なくなったが、それでも、仕事疲れに、なにか肩の凝らないものを読んでスッキリいやして、明日の活力にしようという需要は大きいから、それに応える小説が、パターン通り工業製品のように量産されていることに変わりはなく、そこに才能などというものはない。

 

 

でも例えば早川書房が出している経済書の中には、群を抜いて優れたものがある。スティーヴンソンの『トレーディングゲーム』はその一つで、貧しい境遇から身を起こしてFXトレーダーになって大金を稼ぐようになった男の物語だ。

イギリスはつまりは身分制度が温存されている奇妙な民主主義国家だ。

 

トレーダーになるための第一歩は、有名大学ののうての学生を集めて行われるトレーディングゲームに勝って、著名な証券会社のインターンシップを勝ち取ることなのだが、大金持ちの御曹司たちは親の七光で自動的に地位が保証されている。

 

 

その中で勝ち抜いていくには何か秘策が必要なのだが、それは…という話で実に興味深い。