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古本屋日誌
2025-03-28 19:16:00
2015年に青幻舎から出た『小林清親』という画集を入手した。
明治の錦絵を代表する清親だから、さまざまな風景画が収めてあるのだが、その中に三井越後屋の新社屋のものがある。
4階建で、屋根には鯱鉾が取り付けてあるのだ。何でも新社屋からは富士山も江戸城も望むことができるそうだ。身分制度が厳格だった徳川時代では商売人風情が天守閣を模したような社屋を建てることなど、考えようもないことだ。
それが明治になって四民平等の世の中で、商売人がお殿様の向こうを張ってお城を建てるのだから、時代を感じさせる。
これを仰ぎ見た人たちは自由を実感したのではなかろうか。
このことは井上章一先生が前に指摘していたことで、清親の絵を見て改めて実感させられた。
商売人の天守閣は東京だけの現象なのか、京都や大阪はどうだったのか知りたいものだ。