Welcome

古本屋日誌

2024-11-23 09:25:00

昨日NHKのBSで11回目の『いけずな京都旅』が放送された。

 

今回は京都が色を駆使して魅力的な街となっている話だ。

 

料亭の京料理や草木染めの話が出ていて、それは高価なものなんだから、京都であろうが、大阪であろうが何も変わらないと思うけどね。

 

 

例によって井上章一先生が登場されて、今回は四条大橋の東詰めにそびえる「レストラン菊水」屋上でビアガーデンを楽しんでおられた。(撮影は9月のようだ)

 

その屋上から、四条通を2005年の山鉾巡行の際に撮った大きなパネルを手にして「今の景色と違うところがわかりますか❓」という。

 

 

屋上から四条通を、見下ろしたら、両側に並ぶビル群から張り出した広告が無くなっているのが見てとれた。

 

 

「昔の写真では、ビルの広告塔が邪魔になって、せっかくの山鉾が目立たないでしょ。それで2007年に新しい景観条例が出来て、今はずいぶんスッキリしたでしょ」

 

 

井上先生は自慢げにおっしゃっているのだが、俺は違和感があるな。

 

これまで先生は様々な著書で京都の現在の景観を批判してこられた。

 

イタリアが1943年に早くも降伏したのはローマが連合国に爆撃されて古くからの建物に被害が出たからだ。

 

それに対して日本はいくら爆撃で壊されても構わないという姿勢だった。

 

例えば坂口安吾が、戦時下に、法隆寺だってなんだって焼けても構わない、堕ちきるところから、新しい文化が生まれると主張していたことも、井上章一先生は批判されていた。

 

 

「それはつまりは空襲なんか大したことないんだ、という話であって戦争に協力しようという姿勢がありありと見える」

 

 

京都が基本的に戦災を免れて、古い街並みを保てたにもかかわらず、それらをさっさと葬り去って、東京や大阪と変わらないどこにでもある街並みになってしまったことを、井上先生は、京都の人たちが結局カネに目が眩んで土地を売り、開発してビルやマンションに変えてしまったからだ、とアレックスカーのごとく批判しておられた。

 

それなのに、景観条例で少しビル群がすっきりした程度のことを評価して、喜ぶとはいったいどうされたんだろう。