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古本屋日誌
ネットのニュースによれば今月6日、雑誌『大阪春秋』を発行し続けた、新風書房社長、福山琢磨氏が亡くなったという。
90で、老衰だという。
1973年創刊の郷土雑誌『大阪春秋』が親会社からの財政支援が途切れて113号で廃刊となると、すぐに手を挙げて発行母体となり、以後2021年の182号まで途切れることなく続けたのは立派だよなあ。
俺は毎号、上本町6丁目近くにある、新風書房ビルまで発行と同時に買いに行っていた。
時には福山さんが2階に居合わせることもあって、「これな、封筒入れたげてや」と社員にゆうて下さった。
80を超えてもすこぶるお元気そうです、毎回(といっても季刊誌なので、年4回なんだが)律儀に買いにやってくる、おかしな中年男を訝しんで、彼が今取り組んでいる研究を話されることがあった。
「あのね、対馬にいる馬のことなんですけどね、野生種なんですけど、それを日露戦争で使ったという話があるんですよ。」
「へえー全然知りませんでしたわ。あれですか、奉天の会戦とか旅順なんかの時ですよね」
「そう、それでね……」とあれこれ話してこられるのだが、俺としてはそれ以上返す言葉も知識もない。
彼としては、わざわざ熱心に『大阪春秋』を本社まで買いにくるおかしなやつなんだから、郷土史家の端くれみたいな人かもしれない、ひょっとして今後の雑誌に使えるやつかもしれないな、と探りを入れていたんだと思う。
でも俺は一介の古本屋に過ぎないから、大したことも返せるわけもない。
「あー、それなら、これも書いておかないと」とゆうてはりました。(自分が死んでしまう前に、書き残しておかないといけないという分脈だった)
自分の読みが外れた時の返し方がうまい人だな、相手にきづつない思いをさせることのない、瞬時の反応がさすがだなと思いましたよ。