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古本屋日誌
2024-09-22 14:04:00
文芸評論家の福田和也が亡くなった。
「急性呼吸不全」なんだそうだが、まだ63だというから、暴飲暴食が祟ったのかもしれず、残念だ。
福田は30くらいでナチスに協力した文学者の研究書である『奇妙な廃墟』を出して注目された。
この本はちくま学芸文庫に入っているが、すでに品切れで、なかなかお目にかかれない。
その後は『作家の値打ち』で歴代の芥川賞作家の受賞作を100点満点で点数化してみせて、面白かった。
しかし俺はなんといっても『spa』に連載していた坪内祐三との居酒屋などでの飲みながらの対談が興味深かったな。
60年安保闘争の盛り上がりについて、「あれはつまりは反米だということだ」と述べて、当時の世相がヒロシマ、ナガサキの記憶も生々しい上に、直前に起こったビキニ環礁での第五福竜丸の被爆事件もあって、世情がアメリカ憎しに向かっていたことを述べていた。まさに、「民主と愛国」が共存していたわけだ。
またヒロシマ、ナガサキへのアメリカの原爆投下について「あれがなかったら終戦になっていなかっただろう」と細かい年表を用意してきた坪内祐三と論じていたこともあって、妙に説得力があった。