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古本屋日誌
2024-10-05 16:00:00
2007年に国書刊行会から『戦争と美術』という1937年から1945年の戦争中に描かれた戦争画を集成した大型本が出た。
ただ藤田嗣治の絵が遺族の反対のために掲載できておらず、これは後の新版である程度収録が可能となった。
ここには小磯良平、向井潤吉、宮本三郎、田村孝之介をはじめたくさんの画家の絵が網羅されていて素晴らしい。
編者の1人、針生一郎は戦争画に批判的で、藤田の絵について「彼は野次馬の嗜虐的な興味に駆られてこのむごたらしい場面を描きながら、その効果をニヒルに、偏執狂的にたのしんでいるだけだ。」と書いている。
しかし戦争中の絵なんだから、俺はそういうものだろうと思うけどね。この本には入ってないが、藤田のサイパンやアッツ島、ノモンハンの絵を見ると、ごく普通に、誰もが心を打たれると思う。
あの時代は戦争以外の選択肢はないわけだから、それを批判することは無意味だ。
支那への侵略はもちろん植民地化を意図したものだが、それはその当時の列強のどの国もやっていたことであり、大日本帝国も遅ればせながら尻馬に乗っかろうとしたにすぎず、特別問題のある行動とは思えない。
戦場で敵兵を撃ち殺す、マシンガンを打ちまくる行為は今でいえば会社で、個人商店で顧客のために懸命に働く行為と基本的には何も変わらないと思う。
大日本帝国の行った戦争を批判するためには、日常の真面目な商売や行動を否定する論理を組み立てないと出来ないことだと思っている。
今日の価値観に乗っかって批判するのは幼稚な理屈でしかない。