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古本屋日誌
2024-09-14 20:47:00
吉川弘文館から梶川敏夫の『ビジュアル再現 平安京』が出た。
これまでの発掘調査で判明した平安京の大極殿や羅生門、貴族の邸宅、社寺などを現在の地図に落とし込んで、正確な位置を示しているのに加えて、発掘調査が行われた際の写真も加えた本だ。
大河ドラマ『光る君へ』もあって、当時の平安京の姿への関心も高まっている。
以前光村推古書院から『京都時代 MAP 平安京編』という本が出ていて、これは今の京都市内の地図の上に白くて透けている紙に平安時代の貴族の邸宅やら、主要社寺を印刷した本なのだが、今は品切れになり、古書価は高騰している。
その江湖の乾きを癒すのが本書だろう。
著者は考古学者で、長年京都で発掘作業に携わってきた。
俺は思うんだが、考古学教室は文学の中でも極端に体育会系だということよ。
発掘作業するそのものが、炎天下でも行われる肉体労働だし、地層のちょっとした変化に気づくには長年の経験や勘が不可欠だ。
出土品とそうでないものを瞬時に見分けるのも大変だ。
先輩の指示ややり方に異を唱えるなんか、思いもよらない。(それがいいことばかりとは思えないけど)
この本にはそういう考古学者の思いがほのみえるところがある。
1972年に、著者が初めて八方に臨んだのは羅生門だったが、そこであの、角田文衛から「何故、以前掘った場所を改めて掘るのか」とクレームを付けられた。
なんでもトレンチを設けた場所が古代学協会が発掘を行った場所の近くであったことが原因だったという。
先輩にしてみたら、こんな若造が俺の手をつけた場所を改めて掘り返すなど言語道断という思いがあったのだろう。