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古本屋日誌
2024-08-03 11:04:00
劉慈欣の『三体』2にスペシャリストの1人(面壁人と呼ばれている)が小型機にメガトン級の核爆弾を積み込んで三体艦隊を宇宙で撃滅する計画を立てる話がある。
この、タイラーというスペシャリストがいうには「古代ギリシャから第二次世界大戦まで。(中略)なによりもまず、責任と栄誉、それから、必要とあらばまったく躊躇せずに命を投げ出す覚悟。お気づきの通り、第二次世界大戦のあと、民主国家か専制国家かを問わず、その種の精神は軍隊から消えてしまった」
その精神を取り戻す必要がある、とタイラーは考えて帝国陸軍の基地のあった知覧(特攻隊の出撃拠点だった)を訪れたり、アフガンのゲリラ組織(自爆攻撃をしていたわけだ)を尋ねたりした。
そこでかつての軍人精神の復活の足がかりを掴もうとするが、いずれも指導者からダメ出しをされる。
アフガンの指導者は「自爆攻撃のもとになっていたのは、激しい憎しみだ」という。
そして、今ターゲットとされている三体文明の艦隊にわれわれは憎しみを抱いていないし、むしろ彼らが狙いを定めている地球上には不倶戴天の敵がいるから、攻撃されるのはいいことだとさえいえると述べるのだ。
結局タイラーの目論見は果たせず、遠隔操作で戦闘機を操ることになってしまう。この辺りの精緻な設定が魅力的だ。
個人が重んじられる民主主義国家はつまり面倒なことは人任せにするということだ。
平時でも、この無責任体制は様々な問題を引き起こしているが、非常時となればなおさらだ。