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古本屋日誌
2024-07-21 11:55:00
向田邦子は基本的にはシナリオライターであり、テレビドラマのシナリオをたくさん書いてきた。
それらは毎週毎週、放送されるものだからスピードが要求されるし、小説のような細かい描写はなくて、メモ書きみたいなものでしかなかったりもする。
向田が人気絶頂で、突然亡くなってしまったので、そのシナリオも岩波現代文庫や新潮文庫からたくさん刊行されている。
その中でも俺は『あうん』が好きなんだが、高島俊男先生は先の著者『メルヘン誕生』では、否定的だ。
このシナリオは、要するにごく仲の良い中年男性2人の話で、2人は同じ会社で働いているのだが、重役になっている方の奥さんに、ヒラの方が惚れている設定になっている。
女の方もそれはわかっていて、長い馴染でもあって、男はしばしばその重役の家にやってくるのだ。
別に不倫めいた事件が起こるわけでも無く、2人の男の友情は続いてゆく、その日常が面白い。
しかし高島先生は「友人の嫁に惚れている段階で、普通その家には二度と行かない。」それが東洋にせよ、西洋にせよ伝統だし、男らしい振る舞いだろうとおっしゃる。
確かに先生のお書きになっていることは、その通りなのだが、女々しい反面、節度も守る生き方もあっていいと思うのだ。