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古本屋日誌
2024-07-19 19:24:00
今日から谷町4丁目の古書会館で古本市。今回は矢野書房、古本横丁も参加している。
朝日新聞で樹木希林がこれまでの役者人生を振り返る連載を持っていた。
その中でシナリオライターの向田邦子のことを悪様に書いていた。
とにかく締切を守れない、ようやく出来上がったのも樹木希林から見たらまるでなってないというのだ。
俺は向田邦子の信者なので、悪評の根拠も示されておらず、不快に思っていた。
ところがここに天下の碩学高島俊男先生の『メルヘン誕生』という本があって、これは一冊全て向田邦子論なのだ。
その中で高島先生は彼女の時系列の記述の誤りから、ストーリーの平板さ、言葉の誤りまであれこれ指摘されている。
なるほどそれはおっしゃる通り、樹木希林の代弁をされている感もあった。
では反対に高島先生が評価されている話はというと、『思い出トランプ』の一編で、あるビルのガードマンとそこの事務員の2人の女があれこれとよく揉めている。
ところがその男と女がある時、街で楽しそうに歩いてるのを作者は目撃するのだ。
しかし、その次の日仕事に戻るといつも通り口も聞かないし、疎遠な感じなのだ。
高島先生はこの話を評して、昔の日本の人間関係のあり方を見事に切り取っているという。
また、最後のシーンで男が「顎でタバコを吸っている。」という描写を高島先生は「天才」だという。
このへんがよくわからないんだな。
仕事場の人間関係とプライベートを分かるのが昔の典型的なスタイルだということなんだろうけど、それは今でもそうだし、見事だといわれてもよくわからないな。
ラストシーンの比喩は確かに向田邦子でないと書けないものだというのはわかるけどね。