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古本屋日誌
2024-07-10 16:08:00
さかもとやすしが1944年に出した『キャバレー論』を手に入れた。
さかもとは東京でキャバレーの支配人を長年していた。今でこそキャバレーは気息奄々だが(キタにはもうないし、ミナミも「ミス大阪」とかがあるだけだ)、さかもとがこの本を書いた1970年ごろはまだ巨大キャバレーもいくつもあったのだ。
さかもとはこの本で、キャバレー業界はなってないという。
まともに仕事する気もない連中が入ってきて、酒を飲みたい、女と遊びたい、朝から出勤したくないなどという不純な動機に突き動かされているという。
経営者にしてもホステスには日給2000円の保証を付けて、月給8万くらいにしているのに、キャバレーの部長には7万しか出さない。
男性スタッフなぞ、所詮ホステスの悩み事の相談相手ぐらいにしか見てない輩が多いという。
そうだよなあ、そういうやる気のない業界て色々あったよね。どうしても真面目に勤務できない人とか、人付き合いが無理な人とか、一時的にキレてしまう人とかね。
そういう人の受け皿は、こういう水商売に加えて、塾、予備校業界、雑誌、マスコミ、ゲーム業界だったように思う。
俺はしばらく河合塾で現代文を教えていたことがあった。
名古屋の校舎にも教えに行くのだが、宿泊費をもらって、名駅そばのホテルに宿泊して、晩は暇だから同僚の講師と飲みに行くのだ。
東京から来ていた英語の先生は電話帳みたいな英語入試問題解説の著者なんだが、
「今日はな、往生したわ。あっちの人に連れられて公証役場まで行かされて証文書かされたわ」
要するにややこしい借金で首が回らなくなってるわけだ。