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古本屋日誌
2024-06-08 11:15:00
古本屋の仕入れは春の移動期に集中して、6月ともなるとあまりお呼びもかからないのが普通だった。
ところが最近はそうでもなく遺品整理とか、終活で本の引き取りを依頼してくるお客さんがいて、年中忙しいという話を友人の古本屋から聞いた。
それどころか店に電話がかかってきて「もうな、しんどいんや、それでな来週にでも本見に来てもらいたいんや。頼むわ。」と一人暮らしの馴染みのお客さん(80代)からの頼りない声の依頼があった。
「どないしましたんや。えらい力ない感じやね。」「とにかくな、任せるさかい」。
その日に、ご自宅まで出向いたら、施錠されたままで、応答がない。
携帯も空しく呼び出し音が鳴るだけ。勝手にガラス窓を割って入るわけにもいかず、でも確か裏庭のガラス戸は施錠してなかったことを思い出して、そこへ回ると果たして鍵はかかってない。
バタバタ書斎へ回ってみたら、やはりご老人は八畳間の真ん中に倒れている。
「119呼んだんやけどな、もう死んでもうてるんや。」
「そらえらい騒動でしたな。事情聴取とかも邪魔くさかったんちゃう❓」
「そないなことゆうたかて、馴染みの客やし、かわいそうやろ。でもな、結局どの本を売りたいのかわからなんだよって、往生したんよ」
なるほど、亡くなってしもたら、本も立派な遺産やさかい、相続人の同意なしに勝手に売ることもでけへんわけだ。