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古本屋日誌
2024-06-05 12:33:00
山下清の画集『東海道五十三次』というのがある。
昭和40年代初めに、毎日新聞社から出たもので、箱入りの大判だ。
昔の東海道の、気に入った風景を写生したもので、絵には山下清自らのキャプションが添えてある。
モータリゼーションで、どこもかしこも車だらけで、てくてく歩いていた山下には不快だったようだ。
藁葺き屋根の家屋が、車の巻き上げる土煙のせいで埃だらけになってしまっているのに同情する言葉を書いている。
それはさておきキャプションで、食事は見ず知らずの家家に乞食して調達していたことが書いてあるのだ。
横浜のくだりには、横浜は洋館が多いので食べ物をくれるように頼みにくいとある。
頼みにくいというのは、もちろん、頼んでも断られてしまうということではなく、どこが家の入り口なのか、山下にはすぐには判別できず困ったということなのだ。
昭和40年代まではそういう見ず知らずの浮浪者風の人に施す習慣があったんだろうかね。
あるいは山下清の知名度が高く、「あーあの裸の大将やね。ほんまにそっくりやね‼️」てな感じで特別扱いされていたということなんだろうか。