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古本屋日誌

2024-05-30 00:01:00

岡崎武志が最近出した『昨日も今日も古本』を読んだ。

 

 

岡崎は古本屋ライターみたいなところがあって、この本も東京を中心に全国の古本屋をへめぐったルポだ。

 

 

ただ岡崎の本は、その古本屋のある街の説明や、途中で食べためしの話に加えて、店主との関わり、店の歴史なんかもたくさん書き込まれてあって、これが魅力だ。

 

 

要するにいろんな街に出向いた旅行記みたいな感じで読めるのだ。

 

 

普通の労働者は忙しいし、金もないから、行きたいと思ってもなかなか遠出は出来ないし、よしんば暇であっても嫁さんや子どもは古本屋めぐりに寛容であることは少ない。

 

 

そのあたりの、心の隙間を埋めてくれる本なのだということだ。

 

 

さて、中身だが、予想通り東京の古本屋は恵まれている。

 

購買層が分厚いから、かなりいい加減なコンセプトでもやっていけて、何より仕入れが楽だ。

 

 

驚いたのは店舗を構えている立派な古本屋なのに、仕入れは古本組合がやっている古本市だけという店があることだ。

 

 

つまり客からこうたりはせずに、せどりだけで店舗を経営しているというわけなのだ。

 

 

確かに東京では毎週のように、古書会館みたいなところで、古本市が開催されているから、自分の店にあう本を見つけることは容易なんだろう。

 

 

でもそういう仕入れのやり方は他の古本屋にすぐわかってしまい、「いい気なもんだな」とか「お前のために本を仕入れてきてやってるわけやないで」みたいな叱責を受けそうだ。

 

 

実際、例えば毎年みやこメッセで行われている古本市で、「〇〇さん、今日は仕入れに来たんか‼️」と言われているおっさんがいて、どう返すのか聞き耳をたてていたら「……」なにも言わない。

 

 

 

「せやし、仕入れか❓聞いとんねん」と意地悪発言が続いた。

 

 

だから、いくらそれで仕入れが出来ても、精神的にきついのではなかろうかと俺は思うのだ。

 

 

ところが東京では、そんなことも起こらないということなんだろうか。

 

 

気まずい思いをしたり、不快感を双方が持つような人間的な近しい距離感がないくらい東京は広大で、顔を付き合わせることもないのかもしれない。