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古本屋日誌
2024-06-01 10:50:00
国際政治学者の高坂正堯が新潮選書から去年出した『歴史としての二十世紀』が評判だ。
高坂は1996年に死んでいて、この本はその6年前の1990年に行われた講演を活字に起こしたものだ。
この中で高坂は大東亜戦争について、ルーズヴェルトがドイツや日本に無条件降伏をあくまで求めたので、戦争が長引いたこと、
イギリスはバルカン半島に進行してドイツと戦うことを主張したが、アメリカはそれに応じず、そのため東欧諸国がソ連の支配下に入る羽目になってしまったことなどを挙げて、
アメリカには戦後の見取り図がなかったことを指摘している。
これは歴史から支配者が教訓をえるということであって、これに懲りたアメリカは後、ベトナム戦争に極めて積極的に乗り出していくわけだ。
また高坂は近代の戦争での歩兵戦についても興味深いことを論じている。
敵兵とぶつかるフロントでは重砲は役に立たないので、当初は歩兵はきちんと隊列をくみ、臆して逃げることのできない形で突撃していた。
(隣の戦友から逃げない意味で、あの北朝鮮が繰り返している、整然と隊列を組んで大きく足を上げて行進するやつは意味があるのだと高坂は指摘している)
しかしやがてそれでは損害が大きいこともあって、いくつかのグループに分けて兵隊を散らばらせて攻撃するように戦術の変化があったという。