Welcome

古本屋日誌

2024-02-27 11:22:00

橘玲と安藤寿永の対談本『運は遺伝する』がNHK新書から出た。

 

行動遺伝学の知見から現代社会を読み解いたものだ。

 

 

双子の研究から、共有環境(双子が置かれている家庭環境のこと)が知能やさまざまな能力に及ぼす影響はほとんどないことは従来から言われてきた。

 

 

つまりどうしょうもない親であろうが、慈愛に満ちたそれであろうが子どもに及ぼす影響はないということで、この本でも詳細に述べられている。

 

 

 

これは、子どもがぐれたり、犯罪に走ったのは親のしつけがなっていなかったからだ、などと親が責められる風潮への警鐘として、意味のある知見だよなあ。

 

 

それはさておき、殺人をはじめとする凶悪犯罪を犯す人間は、遺伝子レベルで違うという知見も見つかっているという話は驚いた。

 

 

裁判が趣味のアメリカでは、すでに凶悪犯を弁護する材料として、被告の遺伝子にはそういう犯罪に結びつくものがあるとの医学的な証拠を裁判所に提出して、罪を免れようとした事例があるそうだ。

 

 

ただ、犯罪者を処罰するのは、国家の秩序を保つためというのが大原則としてある。

 

 

犯罪者が元々そうせざるを得ない遺伝的特性を備えていたからといって、凶事に走り、大衆に恐怖心を及ぼし安寧秩序を脅かしたことは、国家として許されることではない。

 

またイギリスなどで行われているような子どもへの性犯罪を犯したものの記録が長期にわたって、わかるようにする制度が、日本でも検討されている。

 

 

つまり、遺伝子レベルで犯罪に走りそうだと考えられる人間を予防的に拘禁して、社会から隔離すれば、結果的には犯罪も起こらないから市民は安全な社会生活を享受できるだろうという考えに結びつく。