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古本屋日誌
井上章一が中央公論社から新著『ヤマトタケルの日本史』を出した。
女装して敵を騙し討ちにする人物が、わが国ではヒーローとなる伝統を考察したものだ。
井上先生は先ごろあの工藤美代子との対談本を出されて、びっくりしたけどな。
何せ関東大震災のときの朝鮮人虐殺は、朝鮮人が皇太子を殺そうと企んでいたから起こったことなんだ、という本を出した人物が工藤美代子だ。
その根拠としているものは当時の新聞記事などにすぎず、到底首肯するわけにはいかない内容で、困ったものだ。
だからあの井上章一先生もおかしい連中に取り込まれてしまったのか、と俺は心配しているのだ。
それはさておき、この本にはヤマトタケルが、熊襲の川上タケルを倒した「古事記」の話を考察したところがあって興味深かった。
ヤマトタケルは女装して、川上タケルの御殿に行き、宴会でタケルに見そめられてそばに呼ばれて、体を弄られたとある。
それも短時間ではなく、夜が長けて、あたりが静まり返るまでの間だというわけだ。
井上章一はこの「古事記」の記述を解釈して、タケルは当然女装していて、美人に見えるけど完全に男だとわかっているのに、なおかつ愛撫をやめない。
それどころか、愛いやつと可愛がっている、だから男色の気がタケルにあったと解釈できるのではないか、少なくともその可能性があるというのだ。
また続けて「日本書紀」のヤマトタケルの話も考察している。
今度はタケルは1人ではなく兄弟となっているのだが、やはりヤマトタケルを気に入って、2人の真ん中に座らせるのだ。ヤマトタケルはまず1人の胸を隠し持った剣で突き刺し、さらに逃げる今1人を追いかけて尻の穴から剣を貫いた殺すわけだ。
井上章一はこれは日本の伝統的な男色(つまり、大人が子どもをおもちゃにするやつ)ではない。その反対だというのだ。
若くて美しいヤマトタケルの方が、歳を食って、オッサンのタケルを犯しているではないかというわけだ。
さて、こういう考察を経て、何を言おうとしているのかは、まだ読んでる途中で、わからない。