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古本屋日誌

2024-02-05 00:02:00

去年亡くなった大江健三郎が長らく、岩波書店の『図書』に連載していた「親密な手紙」がようやく刊行された。(去年の10月)

 

 

その中に大江が『ガンガンチュア物語』の挿絵本をわざわざスペインの古本屋まで買いに行く話がある。

 

なんでも渡辺一夫が書いたスペインのドレドでの古本屋のエッセーに添えられた写真にその『ガルガンチュア物語』がたまたま写っていたのだそうだ。

 

 

それでどうしても手に入れたくなって、海外で使えるカードと「そこそこのドル貨の入った財布」を手に、とるものもとりあえず、スペインのドレドにでむき、くだんの古本屋に行ってみた。

 

 

折り悪しく、ちょうどシェスタの時間で、店は閉まっていたが、大江は店があくまで2時間半の間、外で待っていたんだそうだ。

 

 

ひょっと本が売れてしまったら大変だと思ったわけだ。

 

 

店が開くと同時に入って、『ガルガンチュア物語』が欲しいというと、店主はすごく警戒している。

 

 

『ガルガンチュア』をフランスでもイタリアでもなく、スペインで求めようとするのはなぜだ❓とか、ラブレーの特製本を東京から飛行便で買いに来るとは‼️とか言われる。

 

 

大江がカードを出すと、店主は急いで銀行に電話をかけ、挙句「1週間後に現金で持ってくるように」と言われてしまうのだ。

 

 

大江はそれなりに現金も持っていたようなのに、カードで支払おうとしたのは、かなり高額だったからなんだろう。

 

 

店主にしてみたら、高い本をこうていただける上客なのではないのかな、それなのに「あんたには売らんわ‼️」と言わんばかりの対応は不思議だな。

 

 

トレドのこの古本屋は、京都の店みたいな感じなのかもそれない。自分だけのルールがあって、それに合わないやつらは客ではないというスタンスなのかもしれない。