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古本屋日誌

2024-01-15 00:47:00

芳賀徹が中央公論社から出した『外交官の文章』は近代日本の歩みを、当事者の日記や自伝をもとに読み解いていく労作だ。

 

 

不平等条約の解消に尽力した陸奥宗光の回顧録『蹇蹇録』の話はとりわけ秀逸。

 

 

例の東学党の乱の原因なんだが、日本が朝鮮の身分制度の解消を命じたことに反発したことがその一つとして上がっているということだ。

 

 

わが国は明治になってとりあえず四民平等を建前として(身分制度でしかない天皇制を温存したけどね)やったきたが、朝鮮にはまだまだ封建的な身分制度が根強く、これが近代化の桎梏となっていたのだ。

 

 

しかし大衆の、ある部分は、強くこれに反発して身分制度の温存を求めて反乱を起こしたのだ。

 

 

こういう事例はインドのセポイの乱でも見られたことだ。

 

いわゆるカースト制度は、イギリスの植民地支配にとって邪魔な面があって、とりわけ軍隊においては、カーストにこだわられては作戦がスムーズに遂行できないので致命的だ。

 

 

そこで、これに手をつけようとしたところ、激甚な反撃を引き起こして、結果、植民地支配そのものが危機に瀕してしまったのだ。

 

要するに、これまで通り差別したい大衆の感情が、植民地支配を危殆に瀕せしめたということになる。