Welcome
古本屋日誌
1831年、ビーグル号で太平洋の荒海の航海に出たダーウィンはジェントリーで、生涯定職は持たず、旅と思索、研究生活を送った天才だ。
領地から上がる莫大な収入があったのだが、金持ちの大半はバカなんだが、彼は違っていた。
それは彼の類稀な天分に加えて、蓄積した大英帝国の富と繁栄の賜物であって、この沈滞した現代日本ではあり得ないと思っていた。
ところが草思社から、松島駿二郎が出した『タスマニア最後の女王トルカニニ』を読むと、いやいや、現代でも「旅行作家」なるものが存在していることがわかった。
松島は1942年の生まれで、上智大の経済学部を出た後、旅行記、ガイドブックの編集者として30年のキャリアがあり、自らも世界を股にかけて好奇心の赴くまま、貴重な本をいくつも出している。
中でもこの『タスマニア最後の女王トルカニニ』はオーストラリアの南にあるタスマニア島(北海道くらいの面積がある)をイギリスが流刑地として植民地化して、原住民を住み慣れた故郷から僻地に隔離し絶滅に追いやった犯罪行為を余すところなく暴いた名著だ。
欧米の植民地支配は、我が国が朝鮮や台湾に施した微温的なものではなく、文字通りのジェノサイドであったことがわかる。
オランダが南アフリカの黒人を全滅させ、その後労働力を確保するために、中部アフリカから黒人奴隷を大量に輸入したことはよく知られている。
しかしタスマニアでのイギリス人の蛮行は仄聞にして知らなかったな。
オランダにせよ、イギリスにせよナチス同様のジェノサイドに手を染めながら、しれっとしてなかったかのような態度を取り続けているわけで、その辺りはわれわれも学ばなければならない。
大東亜戦争もこの連中の驥尾について、真似をしようとしただけで、それ以上でもそれ以下でもない。