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古本屋日誌

2023-11-16 22:05:00

今日は体調もだいぶ良くなり、ぐっすり眠れたし、階段を上る時の息切れもマシになった。

 

 

そこで嫁と阪神百貨店の地下のバルに出向いて地ビールをいただき、同じ階にある「551」で揚げそばとチャーハンをしめに食べた。

 

 

そのあとジュンク堂大阪本店まで歩いて、ミネルヴァ書房から出たばかりの日本評伝選貝塚茂樹の『吉田満』をこうた。

 

 

吉田は帝国海軍の予備学生で、戦艦大和に電探担当、つまりレーダー操作の係として乗り組み、九死に一生を得て、例の『戦艦大和の最期」を書いた人物だ。

 

 

この本には、出撃前夜の宴会で、なにゆえ撃沈されることがわかっているのに、わざわざ沖縄に出撃するのかを、乗組員があれこれ議論するくだりがあって心打たれる。

 

また出撃して、沖縄に向かっている最中、艦内に「今晩のメニューは……です」と陽気なアナウンスが流れるところもドキドキする。そんなもんあるわけないからね。

 

その上で撃沈された大和から放り出されて、洋上を漂う乗組員を僚艦がボートを出して救助するシーンがある。

 

 

たくさんの兵隊が手をボートにかけて助かろうとするので、窮した下士官は日本刀で、救助を求める兵隊の手首を切り落としたというのだ。

 

 

これに関して「海軍の士官は日本刀を携帯してない」とか「救助活動に対して米軍機の攻撃はなく、整然と行われた」、つまり手首切りなどということはなかったとの反論が加えられた。

 

 

この論争の顛末が知りたかった。

 

 

貝塚のこの本では、丁寧に論争の過程を振り返り、吉田は自ら目撃したことを書いたのではなく、伝聞でこのくだりを書いていたことや、手首切りについて問われた吉田が「わたしはどこにも、ノンフィクションだとは書いていない」と答えたことがわかった。

 

 

つまり手首切りは、事実ではなかったようなのだ。