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古本屋日誌

2023-06-19 14:37:00

大塚ひかりは古典を題材にして、独創的な、そして面白い本をたくさん出している。

 

 

ちくま文庫になっている『ブス論』は、かつて誰も注目することのなかったブスの価値や力に注目した著作で(ブスは死を司る力を持つものとして恐れられていたというのだ)、魅力的な本だよな。

 

 

他にも『源氏物語』の現代語訳なども手がけている才人で、順風満帆な人生を歩んできた感じがしていた。

 

 

ところが平凡社新書から出た『歯医者が怖い』を読むととんでもないことがわかる。

 

 

なんでも大塚は1999年ごろから歯の噛み合わせが気になり、歯医者を転々として、治療を続けるが、それでも「歯が異常に柔らかくなってしまった」妄想にとらわれ、歯のことばかり気になる。

 

実家に帰った際も噛み合わせが気になり、コンパスの針で歯の詰め物を削ろうとしたりしていたのだ。

 

 

結局病名は「口腔心身症」でストレスからくる症状が歯に集中して現れたものだった。

 

あんなに才能に恵まれた人なのに、ストレスを抱えて悩むとは思いもしなかったな。

 

なんでも、ある学者から、大塚は原典にあたることなく、自分の書いた本を断りなく引用しているから、謝罪してほしいと難癖つけられた。

 

このことで彼女は深刻に悩んだという。

 

もちろん原典にきちんとあたって著作を書いているから、やましいところは全くないし、むしろ反対に自分が考えたオリジナルな発想を、学者がなんの断りも無く盗用することがあるくらいなので、気にする必要なんか全くない。

 

 

それにもかかわらず、大塚さんは気に病むのだ。