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古本屋日誌
上岡龍太郎が先日亡くなった。
彼は2000年に芸能界を引退し、「21世紀に自分の笑いは合わない」と言っていた。
また、「大阪の人の好みに自分は元々合わない。大阪ではジミー大西やら、島木ジョージやら、山田花子やら、枝雀さんみたいな人がウケるんや。僕みたいな理屈っぽい芸人はあかんねや」ともよく言っていた。
確かに芸をしなくても、袖から登場するだけで、笑ってしまう芸人て、卑怯のようにも思うけど(だって芸をまだしてないのにウケるんやからね)俺も好きだ。
彼は歯にきぬきせぬものいいで、面白かった。鶴瓶とのパペポテレビのオープニングで「銀行員て、えらいいうけど、そもそも金貸しでしょう」と言って鶴瓶が「兄さん、もうそれくらいで」と引き取るようなやりとりがしばしばあった。
でもこの上岡龍太郎程度の毒舌は、全然大したことはなく、やはり谷沢永一だよなあ。
谷沢は苦労して関西大の先生になるんだが、その間に舐めた辛酸がつもりにつもったか、晩年、とりわけなんでも実名で批判するようになった。(『紙つぶて』からの伝統でもあるけど、磨きがかかった)
2008年にベスト新書から出した『運を引き寄せる十の心得』という本を読んで俺は衝撃を受けた。
そのへんに転がっている無意味な実用書やハウツー本みたいなタイトルなんだが、中身は全然違う。
まず槍玉に挙げられたのは京都大学の野間光辰だ。野間は西鶴の研究家としてよく知られているのだが、谷沢は野間の研究などというものは全然大したことはないと言ってしまうのだ。畑違いなのにね。
京大文学部の同僚に遠藤嘉基という人がいて『現代文解釈の基礎』なる学習参考書を出したこれがヒットしていた。
谷沢は「遠藤には学問的業績はない」としながらも、「それでもこの人の退官記念文集での事件は問題だ」と書く。
なんでも遠藤の退官記念文集に野間がを寄稿して、その中で、遠藤はやるべきこともやらないで、全国を走り回って学習参考書を売っていたなる内容をわざわざ記していたのだ。