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古本屋日誌

2023-05-08 12:11:00

NHKで2009年に放送があった「100年インタビュー大江健三郎」の再放送があった。

 

 

大江はこの時長編小説『水死』を上梓したばかり、75になっていたが、かくしゃくとしていて、この小説のことから、文学観や社会との関わり、反核運動、故郷への想いなど多岐にわたる話をしていた。

 

 

大江は東大在学中に芥川賞を受け、その後も圧倒的なレベルの創作活動を続けた。

 

その原動力は渡辺一夫からフォークナー、サルトル、エリオット、ディケンズなどさまざまな優れた作家の作品を系統的に学び続けて、自分の作品に取り入れた旺盛な学習意欲にある。

 

 

大江はその点に関しては

 

「ぼくはたいした才能を持つ作家ではありません。普通の人間なんですね。

安部公房なんかね、やることなすことすべて天才で、斬新な視点を示していたよ、武満徹や伊丹十三なんかもそういう人で、僕はねそういう人の作るものから学んでいく形でしか創作活動は続けられない。

 

そうすることで天才の仕事の近いところに行けるのではとね。」という。

 

 

謙遜も含まれているだろうけれど、作家では安部公房を天才だというのはちょっとびっくりした。

 

 

安部の書くものはSFのような、何か寓意を孕んだような作品群なんだが、「砂の女」にせよ、よくわからない。

 

 

また例の凝った文体についての大江の発言も興味深い。

 

 

「初め東大新聞に出した『奇妙な仕事』なんかはノートに書いてあったのを映しただけ。

そのあと5年間くらい、小説家になって、自分が面白いと思った話をさらっと書いて、お酒を飲んでいる。

それをね、こんな怠け者ではいけないと思った」そうで、書き直しをしていろんなイメージを書き込むようになったのだという。

 

天才のお話はよくわからないよな。