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古本屋日誌

2023-04-14 11:45:00

末松太平の『完本 私の昭和史』が出た。

 

末松は2・26事件に連座して禁固刑に処せられた将校で、事件の当事者の1人だ。

 

以前みすず書房から出ていた本が2013年に中公文庫から出た。

 

そして注釈や1980年の『軍隊と戦後の間で』からいくつかの章を加えたのがこの本だ。

 

2.26事件の最大の関心事は当時青森にいた秩父宮の動向だ。

 

事件後彼は急いで上京しているから、クーデターを起こした将校との間になんらかの打ち合わせがあったのではないかと考えられるからだ。

 

昭和天皇は将校たちに批判的で、鎮圧をためらうのなら、自分が将兵を率いて鎮圧すると息巻いた。

 

だから、事件後、天皇が言うことをきかないならば、これを退けて秩父宮を新しい天皇に据えるプランがあったのではないかと言われているのだ。

 

末松のこの本では将校たちが秩父宮と連絡をとりあっていた可能性は否定していない。

 

しかし彼自身は宮と個人的なつながりもなければ、クーデター計画を打ち明けたことなどさらさらないと言う。

 

結局秩父宮がらみの話はこの本でもよくわからないままで、困ったものだ。