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古本屋日誌
何年も生きていたらすぐにわかることなんだが、人間は全く平等にはできていない。
要領よく、そつなくこなせる人もいるが、何度やってもしくじる人や、失敗から学ぶことが出来ず同じ失敗を繰り返す人がいくらでもいる。
何人かの部下が出来て、指導したり、業務を割り振る差配をしなければならなくなる時がある。
当たり前だが、出来の悪い部下や後輩、先輩が必ずいるのだ。
会議で決めた締め切りを守らない、それどころかそもそも割り振られた仕事をやってないとか、提出してきたものがデタラメで到底人前に出せないものだったりするのだ。
こういった時、仕事を割り振った管理職はどう対処するのか。
無能な部下を叱咤激励してやらす
締め切りがあるので自分でやってしまう
面倒なので放り出してしまう
無能な部下を配置した上の責任を追及する
などが考えられる。
現実的には放り出すことはしないだろう。
やむなく自分が引き受けて仕事はこなすが、それだけではストレスが溜まるだけだ。
バカを配置した上の責任は重大なんだから、引っ捕まえて罵倒してやらなければならないと思う。
しかしなかなか出来ないものなのだ。
こういう話をするのは日能研関西のことだ。この会社は中学受験の進学塾だ。
過労死した算数課のリーダー(つまりは課長だ)の酒井も、課員のいい加減な仕事には悩んでいた。
講習会に使う教材作成の締め切りを守らない、模擬試験作成を割り当てられているのに締め切りまでに作ってこない、出してきたテストの出来が悪い、てなことがよくあったのだ。
酒井はその出来の悪い算数課の部下を嫌っていた。
俺はその辺の事情が、当時よくわかっておらず、彼が毛嫌いしていた職員を宴会に連れてきてしまい、酒井からひどく怒られたことがあった。(そりゃまあ、当たり前だよな)
でも、長年生きてきたら普通の仕事ですら、こなせない人がいることは何度も目にしてきたはずだ。
そもそも酒井は京都大学の農学部の出身で、長らく熊野寮にいた。
そこでは自治会の書記長を務めたこともあったのだ。
学生運動の世界でも当たり前だが、やるべきことをしない、デタラメなことしか出来ない怠惰な人がいくらでもいる。
指導する書記長ならば、その都度決断を迫られたはずなのだ。
彼はどう対処してきたのか気になるのだ。
血気盛んな学生なわけだから、そんな立派な対応はできないだろう。
ちゃんとしないやつを捕まえて、叱るとか暴力的に説教するとか、まあそんなもんだろう。
それが学生なら当たり前の対応だと思う。
でもね、叱っても意味はないし、どついたりしても疲れるだけというのはだんだんわかってくる。
それで出来ない人はその部署から外す、別の任務にすることになる。
それが出来る地位や部署にいればストレスは少なかろうが、中間管理職なら、人事権はないに等しいから、ストレスフルになるだろう。