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古本屋日誌
2023-01-22 23:19:00
俺は府立天王寺高校の出身だが、進学校はどこでもそうなんだが、教師が自分の興味に従って授業をしていた。
大学受験に合わせて授業を展開することもないし、そもそも文部省検定済の教科書に基づいていない。
倫理社会の授業は高2の時なんだが、テキストは角川文庫の『ソクラテスの弁明』をまず使い、その後はベーコンの岩波文庫『ノヴムオルガヌム』だった。
これを全員に買わせて、教師が注目すべき箇所に線を引かせながら、解説していく。
面白かったのは『ソクラテスの弁明』の最後だ。
周知のようにソクラテスは若者を扇動したとして死刑を宣告されている。
弟子たちが師匠に逃げるよう勧めるのに、ソクラテスは死は恐れるようなものではないと、諄々に説くのだ。
ソクラテスによれば、死は例えていえば誰にも邪魔されない深い眠りみたいなものだという。
「お前たちはこれまで、とろけるようないい眠りについたこともあるだろうよ。それが死ぬことと同じだとしたらどうだろうよ」
確かに睡眠時間は意識もないし、何も覚えていない、人は毎日7時間は死んでいるわけだ。
あるいは本当に死んでしまう日に備えて、毎日練習しているのだ。
夜中に手洗いに行きたくなって起きてしまい、「眠たい、眠たい、眠たい❗️」と呟きながら床につく。
これは「早く死にたい、死にたい、死にたい❗️」ということだ。