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古本屋日誌
今は全然違うけど、以前大阪の古本屋では上六の天地書房が有名だった。
上六に2店舗、難波にも2店舗あって、とりわけ難波の店は千客万来だった。
天地書房の仕入れはもちろん客からの買い取りもたくさんあったが、古本組合の交換会での仕入れがすごかったといまだにささやかれている。
「とにかく天地さんはなんでも、たくさんこうてくれるからね、天地が来ると聞いたらこっちもぎょうさん本持って行ったからな。
岡山でな、古本市場が創業する時期と重なった時は、そらおもろかったで。
古本市場のバイヤーはとにかく本が欲しいゆうことでなんぼでもこうてくれた。天地さんと競って、高い値段で売れたからよかったよ」
とのことだ。
業者の交換会では、相場よりはるかに高い値段で取引されることがあるのだが、それは、なんぼかんぼと細かいことを言わずに買うてくれる太客を持っているからなのだ。
古本組合の交換会の話はよく聞くのだが、理解に苦しむところがある。
文庫本でもなんでもそうだが、50冊くらいが結えてあって入札するのだが、その中で欲しい本は一冊、2冊だけなのだ。
残りはどうでもいい本か、商品にならないものだ。
でも業者はその一冊か二冊が欲しいので、入札してなんとか落札する。
「そのあとはな、欲しかった一冊をちゃんとした値段で売って利益を確保すんねんけど、残りの本はどうするかいつも悩みの種なんよ」とのことなのだ。
要するに抱き合わせ販売だよなあ。欲しい本を手に入れるために、要らない大量の本を押しつけられるように思える。
よく客が来てくれる店舗があるんなら、一冊50円、100円で要らない本もさばけるかもしれないが、それにしても谷町四丁目の古書会館から、倉庫まで重たい重たい本を運ばないといけない。
倉庫の保管費もバカにならない。
でも古本屋はそれが当たり前で、疑問に思うことはないようだ。
これは客から買い取る時もおんなじだからだろう。お客さんの本棚を拝見してもほとんどの本はよくわからない。
見たことがない本の方が多いし、価値も不明だ。