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古本屋日誌
ネットで本が簡単に手に入るようになるまでは、一度見つけた本が次にまた見つかる保証は全然なかった。
だから当面読む予定がなくてもこうていた。しかし今やネットで検索できない本などない。(値段が問題だが)
それにもかかわらず、新刊にせよ、古本にせよ次から次へと買うてしまう。
女のやつでカバンをよう買うのがいる。
俺なんか仕事にもっていくカバンが一つあるだけで、それは丈夫でたくさん本が入り、ファスナーが大きくて入れやすい物で、つまりは実用しか考えてない。
しかしカバンマニアの話では
「そんなもん橋筋(心斎橋筋のこと)に行く時は、ええやつやけどちょっとこうとなんで、キタやったら派手なやつ。
倅の学校に行く時用、連れとカラオケに行く用とか、いろいろな組み合わせがあるやん。なんぼあっても足らんわ」とのことです。
なるほど言われてみたらわかるよなあ。
いろんな場合を想定して、コーディネートしていくのは、時間もかかるし、金もいるけどなかなかいい趣味だよなあ。
特に老後のあり余る時間にはもってこいだな。
本も通勤の電車で読むエッセイ、よく揺れるバスの車内で読むスリラー、勉強用のきちんと読む本、布団に入って眠るためのつまらない本とか、用途によってわけて読んでいけばいいのだろう。
しかし本にしてもカバンにしても、問題は二つある。
一つは場所を取ることだ。
それに本は重たい。
確かに床に積み上げておくこともできるんだが、そうするとどこに何があるかわからなくなりがちだし、埃まみれになったり、帯が切れてしまったり、カバーにスレができたりしてしまう。
そうすると本屋で手に取った時のときめきがやや損なわれてしまうから厄介だ。
また二つ目には、そのうち何をこうたのかすっかり忘れてしまうのだ。
本屋でこうてきた本を楽しんでいると、目の前の本棚におんなじ本が刺さっているのを目にすることがある。
付箋が付いていて、確かに一度は読んだはずなんだけれど、その記憶も一切ない。