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古本屋日誌
講談社から鮫島浩の『朝日新聞政治部』が今年春に出た。
鮫島は元政治部のデスクで、2014年に福島第一原子力発電所の「吉田調書」をスクープした人物だ。
この本はその「吉田調書」をめぐって、鮫島が被った不当な処分の話だ。
東日本大震災4日後、3月15日第一原発は制御不能の重大事態をむかえていた。
その日、所長の吉田は、第一原発で事故収束作業中だった社員に、第二原発に避難せず、現場に残るように指示した。
しかし、大勢の社員は避難してしまった。
鮫島は東日本が壊滅するような危機的な事態にあって、我が身の安全を優先した社員を責めることはもちろんできないという。
その上でわが国の危機管理体制がいかに脆弱かを問題提起したのだ。
ところがこのスクープが、後々大変な騒動をひきおこす。
吉田の指示を、直接は聞いていない社員もかなりいたため、「命令に従わなかった」という朝日新聞の報道は誤報ではないかと騒がれて、結局鮫島はその責任を取らされて「停職2ヶ月」の処分のうえ、降格された。
なるほど確かに理解に苦しむ処分だし、意味不明な批判だよなあ。
吉田の指示を直接聞いてない社員もかなりいたから、朝日新聞のスクープは誤報だとか煽っていた連中こそ、ためにする批判をしてるだけだよ。
朝日新聞を叩く材料だと飛びついた。
それはさておき、ほぼ同時に従軍慰安婦問題で、朝日新聞が長らく誤報を続けていた件について、謝りを認める記事を出したよなあ。
俺は朝日新聞は、例えば済州島で帝国陸軍の将兵が一斉に朝鮮人の女を刈り込んで慰安婦として動員したなどという「証言」がデタラメであることを、十分認識していたのではないかと思っていた。
しかし政治的な立場として何としても保守勢力を叩きたいので、敢えて正邪には目をつぶってキャンペーンをしていたのではないかということだ。
だって鮫島が書いた福島第一の「吉田調書」の件がそうでしょう。
読売新聞にせよ、産経新聞にせよ、暴走する原発を社員が我が身かわいさに見捨てて逃げてしまうことの問題性ぐらい十分わかってはいる。
しかし、政治的立場として何としても朝日新聞を叩きたい❗️だから正邪とか問題の本質なんかはどうでもよくなったのだ。
朝日新聞も従軍慰安婦問題についてはそういう政治優先の方針だと思っていたのに、なぜ2014年に一転して誤りを認めたのか、実に不思議だ。