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古本屋日誌
2022-12-18 00:24:00
安田峰俊は、天安門事件を扱った『八九六四』で大宅賞を受賞した辣腕のルポライターだ。
15日の朝日新聞に中国のゼロコロナ政策の転換に関してコメントを寄せている。
「ゼロコロナ政策で連想するのは、50年代末に毛沢東が強引に推進し、多くの餓死者を出した大躍進政策です。
大躍進政策を止めたのは、党内の権力闘争の結果で、民衆の怒りではなかった。
ゼロコロナについては、『民衆の声が政策を修正させた』という認識が広がっています。そこは肯定的に捉えていいと思います」
200万の餓死者を出したともいわれる大躍進政策だ。普通に考えたら大規模な抗議デモなり、ストライキやボイコットが頻発して共産党政権は窮地に陥るところだ。
しかし大衆はおとなしいままで、怒りが爆発しないのも不思議だよなあ。
そして政策の変更は共産党内部の権力闘争で、風向きが変わったからというんだから、想像を絶することだ。
このへんは中国の大衆が伝統的に帝国が好きだというのと関係があるのだろう。
皇帝や支配者のおっしゃることを好む、気にしないようにする姿勢がはっきりとあるということだ。
安田もそのことを縷々指摘している。
でも安田は中国の大衆の姿勢をそのまま肯定するものではない。
かつては為政者の暴政で大損害を被っても耐え忍んでいたが今はそうではないのだと。
大衆の意向が社会を動かすのを認めているわけだから、その意味ではれっきとした近代主義者に思える。