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古本屋日誌
2022-12-15 10:13:00
「本の雑誌」の新年号が出て、今年のベストスリーがいろんなジャンルで掲載してある。
意外なのは西村賢太の『雨滴は続く』を誰もあげてないことだ。
西村は、長らくこの雑誌に愉快な日記を掲載していて、ゆかりもある人物だし、なによりも私小説として『雨滴』は傑作だと思うんだけどなあ。
この号で雨白かったのは岡崎武志の連載だ。
岡崎は古本ライターや書評家としてさまざまな本を上梓している。
本人によれば20年前は年収も1000万を超えて、その勢いで家を買えたという。
不安定な自由業でも、この年収があったからローンの審査が通ったのだそうだ。
ところが最近になって、長年続けてきた「サンデー毎日」の書評連載が打ち切りになってしまった。
部数の減少が理由だという。
岡崎は1ページ分の書評を担当していたが、1回の原稿料は3万で、月4回だから都合12万の収入が閉ざされたことになるという。
これをその他の連載で埋めるのは無理で、仕方ないから自分でやって古本屋を経営することに決めたという。
なるほど東京や京都なら、いくらでも本は集まるから、無難な選択だろう。
岡崎が奥の帳場に座り、時折店を見渡しつつ、原稿を書く、傍には愛猫が鎮座ましましているなどと空想もしてしまう。