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古本屋日誌

2022-12-02 14:03:00

寺尾文孝の「闇の盾」(講談社刊、2021年)に「墓場まで持っていく」と称する話がある。

 

実際にはバラしてしまっているので、それほど危ない話ではないのだが。

 

(寺尾は企業や個人から年間の相談料2000万を取るリスクコントロール会社を経営している。)

 

ある建築会社(本ではもちろん全て実名。お知りになりたい向きは、実際にあたって確かめてください)が、ようやく開発にこぎつけたマンション建築に右翼団体から横やりが入った。

 

有害な物質が地中に埋まっているというデマを流されて、あまつさえ街宣車が来て大音量でわめきたてられた。

 

デベロッパーと右翼団体は繋がりがあることも多いのだが、この会社はそれを毛嫌いしていて、そこが癇にさわったのだろう。

 

 

困り果ては社長から、寺尾のところに相談がきて、「たまたま」その右翼団体と面識があったので寺尾が口利きをしたところ、パタリと情宣がやんだ。

 

 

喜んだ建築会社の社長は寺尾を交えての祝賀会で、ビールで乾杯した後、感極まったのか、ビールグラスを噛み砕き、さらにバリバリと破片も飲み込もうとした。

 

もちろん口の中は血だらけだ。

 

彼は寺尾に礼を言おうと、わざわざ1時間もタクシーに揺られてやってきていたのだという。

 

 

面白い話でもあるけど、経営者の立場では、資金繰りに行き詰まり、目一杯になっていたのだろう。

 

そこへ寺尾の尽力で愁眉をひらいたのだから、喜びもひとしおだ。

 

 

ただこれまでのプレッシャーやストレスが余りにも酷かったものだから、ビールを飲み干しながら、切歯扼腕した日々に思いを巡らして平常心ではいられなかったのだろう。