Welcome
古本屋日誌
2022-11-12 11:38:00
お客さんから西村賢太が「本の雑誌」にずっと連載していた『一私小説書きの日乗』のセットを買い付けた。(単行本7冊と未収録分が載っている「本の雑誌」全部)
西村は2月の5日に亡くなっているのだが、3月号にはその直前の1月7日までのが載っている。
2021年の12月19日に気になる記事がある。
西村が初めて「スポンサー付きの小説」を引き受けたが、あれこれもめる話だ。
「作中で煙草を吸いまくる主人公の年齢が何やら問題になっているらしい。
すでに原稿料は振り込まれ、全額費消してしまっているので、伏せ字という伝統的手法で問題を解消し、再提出。
今回初めてスポンサー付きの小説を引き受けたが、厄介也。」
スポンサー付き小説なんか、いろいろ束縛の多いものだし、相手のリクエストに答えなければならず、よく引き受けたものだ。それだけ金に困っていたのだろうか❓
原稿料にしても帯封で手渡されたものを、開封して使ってしまったというなら、美学として返しにくいかもしれない。
でも振り込みなんだから、金子を返そうと思ったらいとも簡単だろう。それなのに「全額費消してしまっている」という意味がよくわからない。
西村賢太は芥川賞以降、夥しい収入があったはず。それなのに、スポンサー付き小説だの、「全額費消」だの、実に面妖だ。
また大晦日は乗り鉄よろしく、在来線を乗り継いで大阪まで来ている。
そして
「ビジネスホテルをおさえたあと、繁華街に出て早々に飲食。
雄心も起きぬまま、狭き室にて静かなる年越し。」
とあるのも不思議だ。
天下の西村賢太が大晦日、旅先の大阪で、ビジホの「狭き室」て、よくわからない。
大晦日だし、コロナ騒ぎだし、いくらでもちゃんとしたホテルが取れると思うのだがな。