Welcome
古本屋日誌
今日は京都の一乗寺で新しく「アリバイブックス」という古本屋がオープンするということなので、昼からぶらぶら出かけてみた。
一乗寺は出町柳から叡山電車で3つ目で、かなり前だが、例の京一会館があったところだ。
こないだ閉館した「テアトル梅田」みたいな感じで、毛色の変わった映画をあれこれやっていた。
しかし次第に客足は伸びなくなり、施設の改修、更新もおこたりがちとなり、冬場は暖房も入らず、寒さに凍える中で上映が行われていた。
俺が見に行ったある冬の日など、後ろの方の座席が解体されて、通路付近に集められて焚き火をしながら、お客さんたちが映画を見ていたので、びっくりした。
映画は一時、大衆娯楽の頂点を極めて繁栄を謳歌していた。
だから大半が駄作だ。
だってそれしか娯楽がなくて、映画への需要は物凄いから、供給する方はところてん方式で適当に作っていたからな。
ところが、テレビやビデオでいくらでも作品が見れるようになり、娯楽も多岐にわたる時代になると、くだらない映画に1000円以上も前払いさせられ、おまけに2時間も暗闇に監禁されることに我慢できない人が増えるのは当たり前だ。
また、ここは恵文社という変わった本屋がある。
店主の趣味で本を集めたセレクトショップで、文学書なら山田稔、川崎彰彦、野呂邦暢、小島信夫、武田百合子、多和田葉子、大江健三郎なんかが並んでいる。
大衆の好む時代小説やハーレクイーン、ハウツー本、自己啓発本なんかは置いてない。
普通ならすぐに潰れてしまうところだが、ここは京大や京都芸大の近所で学生や教員がたくさん住んでいるという極めて特殊な環境であるがゆえ、もう40年くらい商売を続けている。
本屋は入場するのに金は取られないし、自由に立ち読みができるから「つまらんな」と思えば閉じて本棚に戻せばいいだけだから、映画とは大違いだ。それも存続できた要因だろう。
今回のオープンした「アリバイブックス」も文庫本は岩波文庫の赤を主力とし、映画本、映画のポスターなどがたくさん置いてあった。
雑誌はオードリーヘップバーン関連のものが色々集めてあって、かなり前の出版物なのに保存状態もよい。
文学書は三島由紀夫関連が棚を埋めているという具合で非常にクセの強い品揃えだった。