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古本屋日誌
2022-10-11 20:37:00
スティーブン・ピンカーの『人はどこまで合理的か』が出た。
ピンカーは『暴力の人類史』で20世紀が2度の世界大戦でたくさんの人が死んだ悲劇の時代だったというわれわれの通念を見事に打ち砕いた社会学者だ。
さて新著の中で、ピンカーは原子力発電への毛嫌いを謬見だとして退ける。
彼は脱炭素社会に歩みを進めるためには、CO2を出さない原子力発電が不可欠だと考えているのだ。
これまで起きた3度の大事故のリスクを分析する。すなわちスリーマイル島、チェルノブイリそして福島第一原発だ。
ピンカーはこれらの原発事故での死者数について次のように考察する。
「スリーマイル島の事故では死者は出ていない。福島の事故では数年後に作業員一人が死亡した。チェルノブイリでは、事故による死者が31人、癌による死者がおそらく数千人になると思われるが、それでもなお石炭の排煙による1日当たりの死者数とは同じレベルである。」
そうなのか、チェルノブイリの数千人の死者は石炭によるたった1日のそれと同じというのだから驚きだ。