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古本屋日誌
本と美味いコーヒーは合う。
老後のひまで、所在ないひと時、せわしない中にポッカリ空いた隙間時間、友人と待ち合わせまでのひと時、どれをとってもベストマッチだ。
とりわけ、老後のありあまる時間、小金もあるとなれば、美味いコーヒーとケーキを楽しみたいものだ。
しかしたいていの喫茶店は「ホット」「炭焼きコーヒー」「アメリカン」「レーコー」程度のメニューしかない。
たしかに、いろんな種類の豆を並べてあって、味を楽しめそうな店もあるにはあるが、実際にオーダーしてみたら全然美味しくないのだ。
生豆は焙煎するとすぐに生気を失い、香りも消失し、酸化もして傷んできてしまうからだ。
いくらたくさんの豆を置いているといっても、客の大半は「ホットおくれんか」とか「アメリカン頼むわ」なので、ブレンド以外の豆は宝の持ち腐れで、すぐ傷んでしまう。
最近そのあたりを打開しようとするサテンが現れた。
高槻、天六、西宮に店を構える「焙煎工房 タイムリー」だ。
ここのメニューは2種類しかなくて「ホット」と「おすすめコーヒー」だ。(レーコーはある)
注目すべきは「おすすめコーヒー」で店内に所狭しと並んでいる世界各地のいろんな豆のうちの一つが味わえるのだ。
値段は390円で、俺は初めてコーヒーにも明らかに味の違いがあることを実感した。
これは実は重要なことだ。
ウィスキーはラガヴーリン、アードベック、ボウモア、白州や山崎など美味い銘柄はいくらもあるが、10万以上する高級品を頂いても、もっと安いウィスキーとの違いが俺にはよくわからない。
「両方とも美味いなあ」で終わってしまう。
これは味覚が鈍感であるためなのだろうが、せっかく高い酒を飲んでもそのありがたみが感じられないのは残念だ。
その点コーヒーは一杯が400円程度で、味の違いを十分に感じられるわけだから、実に楽しい。