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古本屋日誌

2022-09-26 09:20:00

数年前から「FLOWERS」で連載されている絹田村子のマンガ『数字であそぼ』が単行本で8巻になった。

 

主人公は首尾よく、京都大学理学部(漫画では吉田大学になっているが)に入ったのだが、講義についていけず、2年留年して悶々としている落ちこぼれのバカだ。

 

その原因は数学を暗記のように捉えて、数式や法則の意味を考えることなしに過ごしてきたことにあるという設定だ。

 

2年間無為の生活を下宿で送り、その間親にはだんまりを決め込んで、仕送りはちゃっかりもらっていた。

 

2年後ようやく「これではいかん」と友達づくりに精を出し、なんとか講義にも出るようになった。

 

しかし相変わらず、講義の内容は全く理解できず、虚しく板書を写すだけの日々で、衝撃を受ける。

 

ようやくできた友人は、すいすい理解しているように見えるので、「これは何かわかりやすい参考書や勉強法があるのだろう」と勘繰って尾行して突き止めようとする。

 

しかしあるものはパチスロにハマっており、あるものはひたすら下宿で寝ており、あるものは神社で巫女のバイトに励んでいる。

 

意を決して彼らに勉強の極意を、尋ねてみると「それは何をしている時でも頭の隅に今日やった数学の講義内容を思い浮かべて考えていることだ」と言われてまたショックを受けるのだ。

 

主人公は愚直にそのアドバイスを実践し、食堂でお盆に料理を乗せて先まで運ぼうとしている時も、数学に思いを馳せていて、必然的にお盆を覆して料理を床にぶちまけることになる。

 

実際の京大の落ちこぼれはこの漫画のような、明るく、それなりに自己を客観視できる視点などは持っていない。

 

しかしそれでは作品に出来ない。(出来ないことはないが少なくとも『FLOWERS』では連載できないな)