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古本屋日誌

2022-06-01 21:19:00

西村賢太は大正時代の私小説作家の藤澤清造の弟子と称して、その全集を刊行すると予告していた。

 

神田の近代文学専門の古本屋である「朝日書林」から出すことに決まっていて、「見本」もオールカラー20ページあまりの立派なものができていた。

 

さらに「小銭をかぞえる」には、この朝日書林に印刷代の一部として納めなければいけない金の段取りが出来ず、同居する女に拝み倒してその親から金を借りる顛末が描いてある。

 

ここまで公然と刊行を予告しているのだから、後には引けないと思うよなあ。

男としてもう引き下がれない。

 

また資金的には芥川賞受賞で、年収は跳ね上がっていた。

 

角川文庫の「一私小説書きの日乗」によれば受賞の前年の年収は480万だったが、受賞した2011年のそれは

「新潮社からだけでも三千八百万円を得ていたことに一驚する。次いで飛び抜けているのは文藝春秋、そして角川書店の順。没交渉となっている講談社は、それでも文庫と単行本の印税、『小説現代』誌の対談で、計百八十万程度は得ていた。

一昨年の自分の年収は四百八十万だったが、今回住民税のみでもその3分の2以上の額を別途納める計算に、つい自分でも訳の判らぬバカ笑いを発してしまう」

テレビにもかなり出ていたわけで、十分な収入だよなあ。

全7巻程度の全集なんかあっというまに出来るのにね。