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古本屋日誌

2022-05-13 22:58:00

「本の雑誌」の最新号は西村賢太の追悼号だ。

 

ここに西村が作って配布した「藤澤清造全集、見本」が収録してある。

 

20ページにもおよぶ大部なものでフルカラーなのだ。

 

 

さらにこの全集を推す諸家の推薦文が載っていてその末尾は直木賞作家の藤本義一だ。

 

 

藤本はかなり恵まれた作家だとの印象がある。

 

直木賞こそ、売れない落語家の壮絶な芸を描いた「鬼の詩」だったが、その後はテレビで「イレブンPM」の司会を務めながら、いろんな雑誌に売れ筋の小説を書きまくっていた。

 

 

ところがこの推薦文の中で藤本はこう書くのだ。

 

「(藤澤清造の作品には)ベストセラー作家を嘲笑する気概が満ちている。

いつの時代でも売れ筋は持ち上げられ文体を奇嬌な装いで飾って得意ぶっていると言いきった作家だろう。この主張はどの時代にも通用する。それは僻みではない。作家の軸を守る強靭な姿勢そのものである。」

 

売れっ子作家の藤本がこんなことを書くとは思わなかったな。

 

 

もっと俺は認められて然るべきだと考えていたのかな。