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古本屋日誌
2022-03-06 15:41:00
今日は純文学雑誌の発売日で、広告では「文学界」は連載の最終回と追悼記事が載り、「群像」にも追悼記事が載るようだ。
天王寺の紀伊國屋で「文学界」を求めた。
絶筆の「雨滴はつづく」の最終回が載っているほか朝吹真理子などの追悼文もある。
「雨滴…」はデビュー前後を書いた私小説で、最終回は芥川賞の候補になったところで終わっている。
「群像」の編集者から「あまりメジャーではない藤澤清造という作家を利用してデビューに利用しようとしている」という批判もあると聞かされてショックを受ける話がある。
「衝撃のあとに突き上げた怒りのエネルギーを、生来の負け犬ゆえの意地に同化させなかったら、その時点で自身の恥の感情に促され、的外れの讒謗に屈し、平成14年の段階ですでにして建立済みの、能登七尾の藤澤清造墓の隣の小さな石碑の中に、壺に入れられて収納されていたかもしれなかった」
こう書いてすぐに本当にこの墓に収納されてしまったんだから残念だよなあ。
この間、西村賢太の本はかなり注文があってよく売れている。
とりわけ芥川賞の「苦役列車」は文庫だけではなく単行本にもたくさんの注文が入っている。
エポックメイキングな著作であり、年収が480万から数千万に跳ね上がるきっかけとなった本だから、注目度も高い。
森山未來が主演で映画にもなったからな。
私には最後のシーンが面白い。
主人公の貫多と汗まみれになってカニの荷出しの仕事をしていた友人の〇〇が、大学を出て郵便局に就職する。
その〇〇は学生時代には青臭い映画論を女の前でとくとくとしゃべり、貫多をヤキモキさせていたが、さて郵便局に職を得てみると、出てくる言葉に映画のえの字もない。
一体あの偉そうな話はなんだったんだと貫多は腹を立てるのだ。