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古本屋日誌
2022-03-03 18:12:00
早くに亡くなる人がいる。
先日も同僚の女が50そこそこで亡くなった。
去年の春に医者から余命宣告を受けていたことを葬式の後で知った。
当人はそんなことはおくびちも出さず淡々と仕事をこなしていた。
ある日職場で
「こないだ左足の太ももが痛なって医者に見せたら『坐骨神経痛ですわ』言われたわ」と愚痴をこぼしていると
その女はしばらく口を軽く膨らませるような仕草をして、思い付いたように
「いかにも年寄りゆう病名ですよね」とにべもない。
「あーそれゆうかなあ、ほんまのことはゆうたらあかんねんで〜」とのやりとりとなった。
思ったことを遠慮や会釈なく口にするいつもながらの会話で、自分の老化を改めて指摘されたみたいになり、ちょっと嫌な気分になった。この時はそんな命にかかわる大病を彼女が患っているとは思ってもみなかった。
それからまもなく死んでしまったわけだ。
その話を葬式も済んで坐骨神経痛の話を思い出したら、大したもんだと思ったのだ。
命が旦夕の間に迫っているのに、いつもと変わらず、淡々と過ごしている、周りとやりとりできていたわけだ。俺には到底できない胆力だ。
しばらく経ってその話を同僚にしてみた。
「あの死んだ〇〇さんな、わしが医者から『坐骨神経痛ですわ』言われた話してやったら、何ゆうた思う❓
『それはいかにも年寄りじみた病気ですね』そんなことゆうねんで、ちょっとすごいよね……………」
わしの言葉を聞き果てもせず、
「あーそれな、年取ったら、身体悪なるよやあ。鼻毛も白なってまうし、耳の毛までそうなるんやから確かに、ショック受けるよな❗️」という。
いやいやいや、そんなことを言いたいわけやないんや。そんなつまらん話題やないんや。