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古本屋日誌
以前中学受験の進学塾の日能研関西の裁判があった。
この塾の非常勤の社会の先生が60才になって雇用延長となったのだが、時給が8割、担当時間数も減らされて結局年収では6割くらいになってしまった。
講師は授業だけ担当する仕事だから雇用延長となっても行うと業務はなんら変わらない、それにもかかわらず時給が減らされるのは不当だと神戸地方裁判所に日能研関西を訴えたのだ。
この裁判は神戸地裁では「下がった時給にサインしているから、同意したものと考えられる」などという理由で認められなかった。
裁判官てバカだよなあ、同意してないから訴えてるわけだから判決はそもそも、理由になっていない。
そのあと大阪高裁では和解となり時給を上乗せすることで決着した。
その過程で裁判費用がかかる(依頼した弁護士には手付金で20万くらいは払っている)し、それを賄うのに本を学生から買い取って販売するのはどうかと私が思い立った。
学生が本を売ってくれるかわからないが、うまくいけばうちの古本屋の利益にもつながるかもしれないなどという下品な思いつきもあった。
それで学生時代に住んでいた京都大学の熊野寮に出向くことにした。
学生寮に住んでいる学生は輪をかけて勉強はしない。これは昔からそうだった。
元から悪い頭がますます鈍磨し、酒ぴたりで麻痺してくるものだ。
それでも元の寮生だと通じれば話は聞いてくれるだろうし、以前日能研関西の労働組合の委員長が呼ばれて熊野寮で、講演をしたこともあるのだ。この委員長も元寮生なわけだ。
その辺りの繋がりからとりあえず頼んでみることにした。
突然行っても怪しまれるから日能研関西の労働組合の副委員長の名刺を持って行って(これはデタラメではありません、実際そうなんです)
案内を乞うた。
玄関の横に事務室があるのでそこにいる学生に名刺を差し出して
「委員会の人に会いたいんやけどな、俺はもともとここの寮生だったものなんや。」
館内放送で呼び出してもらったが折悪しく不在で、
「確か5時には寮に戻るゆうてましたわ」
との話があったので、またその時分にお邪魔することにして一旦近所の茶店に入って時間を潰した。