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古本屋日誌

2022-02-06 01:22:00

昨日昼からえらい西村賢太の著作の注文が入った。

 

新潮文庫の「苦役列車」や文春文庫の「小銭をかぞえる」やこないだ亡くなった石原慎太郎との対談が収めてある「対談集」なんかも立て続けにお客さんが欲しいというわけだ。

 

これは異常で、まさかとは思ったけど、晩にネットニュースを見たら亡くなったとあるではないか。 

 

なんでもタクシーの車内で体調を崩して病院に運び込まれた時には心停止だとある。

 

だいぶ前のナンシー関の時もおんなじでかけがえのない作家ばかり亡くなるのはいったいわれわれはなんと不幸なんだろうか。

 

 

まだ54だというし、「文学界」には長編を連載しているし、「本の雑誌」にも永井荷風ばりの日記を載せている。

 

また去年の11月には「文学界」に藤澤清造への想いを綴り、来年こそは全集を身銭を切って刊行するとの決意も書いた長編を一挙掲載していた。

その頃書いたものを次に再録する。

 

「文学界」の最新号(2021年の11月号)に西村賢太が長編を一挙掲載している。

例の藤澤清造もので、今年は気を取り直してその全集の刊行に乗り出す決意を新たにしたという内容だ。 



西村はこの20年というもの毎月東京から七尾にある藤澤の墓に詣でていて、一回あたり7〜8万はかかる勘定だからトータルでは2000万くらい使っているし、また藤澤清造の著作を収集するのにも同程度の黄白を注ぎ込んだと書く。

 

 


とりわけ「根津権現裏」の自筆書入れ本は大学の先生が所有していて懸命に頼み込んだが断られて、結局新車のベンツ1台分はゆうにこえる金額で手に入れたというのだからよくわからないよな。



また新潮文庫で藤澤の著作が二冊出ていたが品切れとなり、無念に想った西村は角川文庫編集部に復刊を頼みこむ話がある。

「最終手段として刊行費用はこちらで全額負担する旨を申し添えた」のだそうだ。
すごい情熱で圧倒される。



「大手出版社の編輯者と云うのは押しなべて馬鹿のくせしてプライドだけは無駄に高くできている」などと批判も書いていて面白い。