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古本屋日誌

2022-02-01 13:33:00

先週の木曜日のお昼過ぎ、JR神戸線の快速で六甲道のお客さんのところに出かけた。

 

途中尼崎を出たところでスピードが緩くなり止まってしまった。

 

すぐに車掌の落ち着いたアナウンスがあって

 

「この先の踏切で非常を知らせる装置が作動しましたので、職員が確認している」とのことだった。

 

車内は空いていて2人がけのシートに1人ずつ腰掛けている状態で、特に文句を言う人もない。ただ、一号車と真ん中の車両にある手洗いに向かう杖をついた老人はいた。

 

その後2、3分おきにアナウンスが入る。

 

「踏切の棒が折れているとの連絡があって、その対処に当たっている」

つまり遮断機が降りてくるのに、無理に車が侵入して閉じ込められてしまい、やむなく棒を折って外に出たということのようだ。

強迫神経症の一種に閉所恐怖の症状がある。

航空機など、長時間一定の場所に閉じ込められる状況がストレスになり、心の安定が保てなくなるのだ。

電車でもしばらく止まらないような特急や急行では不安に駆られてうずくまったり、パニックに陥ったりするのだ。

 

谷崎潤一郎がそうだったし、かなり多くの人が罹患している。

 

そういう人は飛行機はもちろんのこと、特急にも急行にも乗れないから、遠隔地に向かう際も普通電車で出向くことになるという。

今回も一号車にあるトイレ方向に何回も行く人がいる。60がらみのじいさんや30くらいのリーマン風の女だ。

そんなんに何回もトイレに行く必要はないから、閉じ込められていないことを自分に納得させるための行動なのかもしれない。

その後進展はなく30分余り経過し、車内はそれでも静かなもので、時折かかってくる電話に

「今電車に閉じ込められてんねん」と答えるリーマンの声がするくらい。

やがて40分になろうとする頃に

「この先の踏切に車が侵入して立ち往生しているとの情報が入りました。今係員が対応しています」という。

棒が折れたのなら対処も容易だろうが、車の立ち往生ではさらに長くなるのではないかと私はあきらめましたよ。